更年期

れてぃが鏡で口の中を覗いてる。どうもなんかできたらしい。
「あやせんせー、みてくださーい」
れてぃはどうもあたしをかかりつけのお医者さんとか主治医みたいなもんだと思ってるらしい。まぁホームドクターというとどんぴしゃな気もする。
 んー、なんかできた?
見ると頬の内側にぷくりと血の滲んだ白っぽい隆起。ビタミン不足でできるような類のものを噛んじゃったような感じ。もしくはうっかり噛んだ後にちょっと膿がたまったか。
 あーだいじょうぶ、大丈夫
ほっとしたような表情のれてぃが言う。
「この間ね、たけしの本当は怖い家庭の医学口内炎から始まるこわい病気やってたの」
「それかと思ってしんぱいしてたの」
 ほほぅ?それ結局は何だった?
「えぇとね、てんぽう!」
 あー類天疱瘡ね。あれとはぜんぜん違う、大丈夫。
「よかったー。あのね、更年期のひとがなるって言ってたから、れてぃ更年期かと思ってどきどきしてた」

……そこは「更年期の人がなるから自分は違う!」て思うところでは??