新宿の高島屋の横のウッドデッキになっているところ -何か名前があるのかもしれないが、あたしはしらない- を歩いていたら、小学生の男の子が5人くらい固まってはしゃいでいた。なんだか、ひどく不似合いな感じがした。あたしのイメージでは、新宿と小学生は極めて相入れない。
そこからサザンテラスのほうへ向かって歩いた。確か3年くらい前にある人と来たように記憶していた。果たして、そこには彼が勤めてみたかったと言ったJR東日本のビルがあり、あの時はまだ開店前だったアフタヌーンティールームでたくさんのお嬢さんとかつてお嬢さんだったご婦人とごく少数の男性が早めのお茶の時間を楽しんでいた。
ほんとは別の目的でそっちに向かっていたのだけど、思いついたついでだから…とあの時のスターバックスに入ってみた。あの時の席は残念ながら埋まっていて、しかも店は混んでいてテーブル席を独り占めするのは憚られたので、窓際のカウンターに座った。その時彼とは初対面で、あたしはひどく緊張していて、共通の知人夫妻の話とかをしたように思う。確か4つくらい年下だったはずの彼は、その辺の女の子よりずっと綺麗な顔をしていて、なのに顔をくしゃってして笑った。
あたしは、たぶん彼に恋していたんだと思う。先のことを考えない、ただ好ましいと思うだけの。
たった2時間くらい話してデートは終わり、彼とは広島のアンテナショップの前でサヨナラした。きっと彼はあたしが恋をしていたことになんて気付きもしなかっただろう。