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「一分一秒だって長く、あなたと一緒にいたいのに」 あたしは声に出してそう言った。それは嘘偽りない、瞬間の本音だったから。 「時間は問題じゃないよ」 彼は言った。もう一度、確認するように繰り返した。 「時間は問題じゃないよ」 あたしは、会っている…

付加価値が、必要だ。あたしには。 あなたにつりあうために、何らかの付加価値が必要だ。 あたしと一緒にいて、あなたにメリットをもたらす何かが。 そんな考えに捕らわれていた。 捕らわれていることに、最近気付いた。

いつも最悪の事態を想定する。そうしていれば多少の不幸には動じないでいられるような気がして。まぁ、実際に遭遇したら動じると思うんだけど。でも常に「まぁあたしは運悪いからなぁ」とか「やることなすこと裏目に出るようにできてるからなぁ」というよう…

貴方は通り雨のようなひと 突然あらわれて あたしの頬を濡らして 身体中に貴方の跡を残して 遠いところへ行ってしまった たとえばこの先太陽があらわれて あたしの頬や身体中を乾かしてくれたとしても 水滴の跡はきっと残ってしまう 溺れるほど強く降ってく…

つながっていたい ダイスキなひとと つながっていたい あたしをスキでいてくれるひとと つながっていたい だれかと だれか どうか

カゴノトリは、ずっとカゴの中にいて。 やっとカゴノトリでなくなったと思ったら、今度はカゴになっている。 丈夫なようでいて、簡単にくしゃりと潰れてしまう、空っぽの、トリのいないただのカゴ。